2009年06月09日

あの“高速水着”メーカー



北京五輪で、日本代表の水着素材として関心を集めた会社、ご存知ですか?




特殊ゴム等の素材メーカー、山本化学工業(大阪市)です。2008年夏の北京五輪向けに開発した水着素材『バイオラバー』で一躍脚光を浴びました。「市場にあるものの後追いはしない」を信条に、独自の素材開発に力を注いでいます。この不況下でも業績は好調で、生産設備の増強に乗り出します(ある日の新聞より)。




■新基準対応

『バイオラバースイム』を更に改良し、国際水泳連盟の新基準に世界で最初に対応した素材を開発した。

開発のヒントは、ぬるぬるした魚の体だ。従来品が水をはじく撥水性を重視していたのに対し、逆に親水性を高めた。「水をまとう」事で抵抗を少なくする。

『バイオラバー』は石油などから化学的に作る合成ゴムとは異なり、高純度の石灰石を主成分に、特殊な貴金属の鉱物を練り込んだ独自素材だ。医療分野での応用に期待がかかる。



■占有率トップ

山本化学工業は、1964年の設立で、当時は海女さん用の潜水服メーカーだった。70年代の石油ショックによる不況は、石灰岩からゴムを生み出す製造技術の開発で乗り越えた。84年以降、急激に進んだ円高も、レジャー向けや産業向けなどの高付加価値商品で、しのいだ。ウェットスーツ素材では現在、世界市場の占有率60%と、トップの地位を築いている。



■拡大

不況はどこ吹く風で工場はフル稼働の状態だ。国内外のスポーツ用品メーカー約20社から水着約8万着分の発注も来ている。6月をめどに大阪・岡山の2工場に2億円を投じ製造ラインを新設する。11年2月期の売上高は09年2月期より25%増の100億円が目標だ。

新ラインでは、障害者や泳ぎが苦手な人の為の水着素材も製造する予定。世界経済の悪化で、開発費の捻出や優秀な人材をどう確保するかが、今後の成長のカギを握りそうだ。






※順調に受注を頂く中で“障害者や水泳が苦手な人向け商品”の開発に着手なさる所は、しっかり地に足を付けた社会貢献をしておられます。だから、この不況下を関係なく駆け抜ける事が出来るのですね。
  


Posted by makishing at 06:41Comments(6)