2009年10月14日

《新興国で稼ぐ》



6/27の日経新聞に「新興国で稼ぐ」と言う記事があり、「東洋水産/メキシコ カップめん、現地シェア8割」と、書いてありました。要約して紹介致します。




「議会がマルちゃんした」メキシコの新聞には、こんな見出しが掲載される事がある。「マルちゃん」は東洋水産のカップ麺ブランドだが、現地では「簡単に出来る」と言う意味もある。日本語に訳すと「議会が早々と議論を打ち切った」と言う事になる。


現地のカップ麺シェアが8割超に達する事から転じて使われるようになった俗語だ。


海外進出の始まりは1970年代の米国だった。先発の日清食品がスーパーマーケットの棚を抑え、シェアの約70%を占める状態。後発は他の販路開拓をせざるを得ない中、メキシコ人が土産としてカップ麺を買う姿を見て「これはいける」と判断、89年にメキシコに本格進出した。


94年に転機が訪れた。メキシコのペソ大暴落で経営難に陥った流通業者を救済。将来をにらんだ採算度外視措置だったが「この時に流通業者と強い信頼関係を結んだ」との事。


当時、メキシコでは小売りに占める小規模店と量販店の比率は8対2、現在でも7対3と、小規模店が主体だ。小規模店は、陳列棚が小さく、多数のブランドは並ばない。先に販売ルートを確保したブランドが圧倒的に有利だ。2000年代に入って参入した欧州大手も実績を残せずに撤退した。


70年代に成長途上だったウォルマートと関係を強化し、その後、ウォルマートが急成長した事で、量販向けシェアも上昇した。今や米国やメキシコのウォルマートでカップ麺は、マルちゃんの独壇場だ。


今後、期待されるのが、南米市場だ。カップ麺の普及が進めば南米も大きな収益源になる可能性を秘める。南米も小規模小売店が軒を連ねており、メキシコ開拓での経験が生きる。


メキシコでの成長は、「株価に織り込まれている」(食品アナリスト)だけに、南米事業の先行きが注目される。





※食品業界の熾烈な闘いは、人間が生きている限り、永遠に続きます。シェアと言う名の‘陣取り合戦’は、ランチェスター戦略を取り入れた頭脳的勝利が光る「マルちゃん」ですね。
  


Posted by makishing at 06:07Comments(4)