2012年07月12日

7月6日のサラダ記念日より



今日は、7月6日読売新聞より、第7回サラダ記念日・短歌くらべの入選作の11首を紹介致します。





☆最優秀賞

・ゆで卵裏ごしながら
嫁ぎゆく娘に教えるミモザの由来

【選評】ミモザの黄色い花をイメージしたサラダ。新婚の家庭にもぴったりですね。台所で母娘が嫁ぐ前の時間を惜しむように過ごしています。その様子が豊かに伝わってきて、ほろりとさせられます。




★優秀賞

・テーブルに手つかずのまま春サラダ
夕べは遅く帰ってごめん

【選評】「春サラダ」という表現から、手間ひまをかけたものだということがわかります。ストレートな話し言葉が効果的で、申し訳ない気持ちがリアルに伝わってきます。



・でも君がちぎったレタスが僕は好き
コンビニにはない山盛りサラダ

【選評】いきなりの初句が印象的な一首。君への強い思いが伝わってきます。ちぎったレタスが素敵なサラダになる、それが恋なんですね。



・ダイエットに挫折せし日の生ハムを
たっぷり入れたあきらめサラダ

【選評】生ハムたっぷりのサラダ、おいしそうですね。挫折を詠みつつ、ネーミングにユーモアのセンスが光ります。



・宿題は家の手伝い
尻取りをしつつ孫らがレタスをちぎる

【選評】尻取りという描写を入れたことで、子どもたちの様子がいきいきと目に浮かびます。いつもよりおいしいレタスのサラダになりそうですね。



・ダイコンのサラダのように地味ですと
紹介されてから五十年

【選評】お見合いの席でしょうか。地味とはいえ、インパクトのある紹介です。下の句に人生の重みがにじんでいます。



・手を抜かず作ってみようと思わせる
君の笑顔と真っ赤なトマト

【選評】誰かのために作る喜び。新鮮な素材に出会う喜び。料理とは、こういうものだと気付かされます。



・目覚ましのかわりに香り漂わせ
グレープフルーツサラダを作る

【選評】なんて爽やかな目覚ましでしょうか。サラダが主役の、素敵なアイデアが心に残ります。



・少しずつあなたを知ってゆく夏の
最初にたのむシーザーサラダ

【選評】シーザーサラダの由来などが、二人の会話にのぼるのでしょうか。恋の予感が、うまく詠まれています。



・生産者の写真を見れば
故郷の父親に似て手にとるトマト

【選評】最近よく見かける顔写真付きの野菜。ふとした折りに訪れる郷愁と父親への思いが、表現されています。



・定年後はじめた夫の畑から
ひと品まぜる我が家のサラダ

【選評】世界にたった一つの「我が家のサラダ」。畑仕事を応援している家族のあたたかい気持ちが伝わってきます。





※ちょっと、懐かしいような気がした‘サラダ記念日’です。

食卓にあがる『ひとつの食べ物』について、これだけ多くの表情を出すんですね!

今度、自分でも作ってみようかと、思いました。
  


Posted by makishing at 06:37Comments(4)