2013年06月08日

なぜ島耕作は“ひとり勝ち”しているのか



今日は、たまたま入った、とあるビルのフリーブースで手にした本『サラリーマン漫画の戦後史』(真実一郎著、洋泉社)の中の第一章の中の【なぜ島耕作は“ひとり勝ち”しているのか】の、弘兼憲史氏のコメントを紹介致します。





仕事を愛する事、でしょうね。島耕作は仕事を、心の底から愛していると思うんです。自分のプライベートや趣味よりも、仕事が大事。これはとても大切なことだと思います。それと、彼は自分の利益よりも、会社の利益や日本という国の利益を優先させているんですよ。つねに会社全体のこと、国のことを考えて行動している。

あとは・・・無理に出世しようとは、思っていないですね。「僕はこんなに手柄を立てました!」とアピールしたりはせず、周囲が評価してくれるのを待つ。島耕作はそういう男です。(中略)

もうひとつ、他人と自分を比較しない。他人をうらやましがらない。高望みはしない。身分相応、ということは常に考えていると思います。たぶん、島耕作は「会社役員になりたい」と思ったことは一度もないと思うんです。ギラギラした出世欲は、彼にはない。ただ、「会社のために働きたい」とは思っているし、「みんなの役に立ちたい」とは考えている。

(弘兼憲史・モーニング編集部編『島耕作クロニクル 1970〜2006−新入社員から常務まで−』講談社、2006年、23−24頁)





※『島耕作のこうしたキャラクターが、日本の戦後サラリーマンの集合無意識的な理想のサラリーマン像にジャストミートしたようだ』と、していました。

時代がどのように変わろうと、このような性質・本質の人が、素晴らしい人の代名詞になると、思いました。
  


Posted by makishing at 06:06Comments(7)