2014年12月22日

世界の名作の旧訳について


今日は、読売新聞が編集・発行している『読売ライフ』から【世界の名作を比べ読み】を紹介致します。





「清と斑は世に頼る蔭なき寂しい身の上である」・・・書き出しだけで題名が分かる方は少ないだろうが、清はネロ、斑はパトラッシュと言えばお分かりだろう。1908年、日高柿軒による初和訳の『フランダースの犬』だ。

海外から様々な文化が入ってきた明治・大正期。『小公子』『グリム童話』など西洋の児童文学作品も多く輸入され、翻訳が盛んに行われた。

日本の読書になじむよう、和風に「翻案」された作品も多い。『不思議の国のアリス』を例にとると、アリスは「愛ちゃん」や「まりちゃん」、パイは「饅頭」といった具合に。

井伏鱒二訳の『ドリトル先生』、菊池寛・芥川龍之介共訳の『ピーターパン』ほか、名高い文豪が手掛けた翻訳も興味深い。例えば川端康成・野上彰訳の『小公女』は、柔らかい言葉遣いに時代の雰囲気まで感じられ、さすが!の味わい深さだ。――「なぜって、わたし、お遊びするとき、お話をこしらえては、ひとりで、おしゃべりして遊ぶの」――ね?

一度読んだ世界の名作、ぜひ旧訳でも読んでみて。





※昔の歴史の教科書か、昔の国語の教科書か・・・どちらかに載っていたような、文章です。

西洋の文化が入ってきた明治・大正期は、日本人がより受け入れやすい工夫が、このようなところからも、読み取れますね。
  


Posted by makishing at 07:27Comments(0)