2015年01月05日
字幕翻訳者の戸田奈津子さんが『伝えたいこと』
今日は、去年11月30日読売新聞の中に載っていた、共立女子大学の活字文化特別セミナーで基調講演をされた、映画字幕翻訳者の戸田奈津子さんの記事を、要約して紹介致します。
【英語より読書で日本語力を】
映画字幕の仕事をしていると、「英語がお上手なんですね」と、みなさんから言われます。この仕事は英語力よりも日本語力。字幕の場合、長いセリフを訳すとスクリーンが文字だらけになってしまいます。セリフの間に読みきれる日本語にする。
映画を見る楽しみを妨害しない文字数は、1秒間に3、4文字程度。例えば『私は彼女より彼を愛している』は読みきれず、『私の思いが上よ』とか『彼は私のものよ』とする。いつも日本語と格闘し、的確な言葉を探すことに専念しています。
日本人はお題目のように「英語やらなきゃ」と唱えます。日本は「英語、英語」を言うが余り、日本語が貧困化していませんか。
映画会社からも「字幕に漢字を入れると若いお客さんが読めない」という注文が来ます。若い人は辞書を引かなきゃ。素晴らしい日本語を維持していく努力をしなければいけません。
最近、若い人はスマホばかりですが、日本語力をつけるには本を読むしかないのです。読めば、日本語の美しさを頭が感じ取って少しずつ身につくんです。この時代、コンピューターが情報をくれますが情報は教養ではない。人間の価値を決めるのは教養です。自分で読み、考えなければそれは身につきません。
※英語の字幕を日本語に訳する仕事の方から、このような内容のことを指摘されるのは意外でした。
おっしゃられていることは、全く以て、その通りだと思います。日本語力が、極端に欠如しているのは否定出来ません。
私も今以上に、読書をしていこうと思います。
Posted by makishing at
06:49
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