2018年08月21日
粘着シートのついたゴキブリ捕獲棒から変身した商品
今日は、いつも楽しく読ませて頂いているメルマガから【粘着シートのついたゴキブリ捕獲棒から変身した商品】を紹介致します。
【粘着シートのついたゴキブリ捕獲棒から変身した商品】
今や市場規模は、年間90億円を超える粘着クリーナ。
トップを走るのは、約5割のシェアを誇るコロコロ。
コロコロを販売するのは、株式会社ニトムズという会社です。
同社は、工業用粘着テープの生産量がトップメーカーの日東電工の子会社で、粘着テープの「家庭用商品化」を目的に設立されました。
親会社では工業用の粘着テープばかり開発されてきたため、新しく設立されたニトムズは、売れる家庭用商品を作ることが出来ずにいました。
そんな中、先端に粘着シートのついたゴキブリ捕獲棒を開発し、「ゴキ逮捕」と名付け、社運をかけてTVのCMまで投入しましたが思うようにいかず、大量に在庫を抱えることに…。
数億円の負債を抱え、開発担当者の頭を悩ませていました。
大量の在庫を整理しているときに、女子社員が粘着テープを丸めてホコリを取っていました。
その姿を見た開発担当者は、「粘着テープによるゴミ取り器具」というアイデアをひらめきました。
粘着テープでほこりを取るという発想はシンプルですが、絨毯やフローリング、ソファーなど使用する場面は様々です。
そのため、粘着テープの面には、色んな工夫がなされています。
例えば、粘着面は平坦ではなく、凸凸凸凸凸凸凸凸凸というように溝が形成されています。
凸の突起の部分にだけ粘着剤を塗布することで、カーペットの奥まで食い込み絡みついた髪の毛やホコリが取れるスジ塗り粘着加工が1つの特徴です。
粘着力が強すぎると、逆にローラーが転がりにくいので、凸凸凸凸凸凸凸凸凸は、転がりやすさの面でも威力を発揮しています。
1983年にコロコロ(登録商標)が発売されてから、累計で本体約4000万本、取り換え用スペアは約4億個を超えるロングセラーとなりました。
30年間の間に色んなラインナップが開発されましたが、面白いところでは、スマホやタブレットの指紋の汚れを取る指紋コロコロ(登録商標)でしょうか。
粘着クリーナの業界では、低価格の後発メーカーも出てきていますが、品質重視の同社は技術力の差でトップを守り続けています。
ラインナップを増やしていく攻め方で、市場を伸ばしていった成功事例ではないかと思います。
※画期的な商品の誕生は、何気なく行った、従業員の普通の行動からの発想だと、感じています。
今回の商品も、まさにそうだと思います。日常のあちこちに、素晴らしい商品・サービスが生まれる種が、転がっているのですね。
Posted by makishing at
07:41
│Comments(2)