2020年04月06日

不東(ふとう)


今日は、いつも楽しく読ませて頂いているメルマガから【不東(ふとう)】を紹介致します。





【不東(ふとう)】


先日、奈良・薬師寺に行ってきました。

中門を通って金堂、大講堂、食堂(じきどう)、玄奘三蔵院伽藍を観覧していきました。

玄奘三蔵院伽藍には平山郁夫画伯の大唐西域壁画が奉納されていますがその迫力には圧倒されます。

ところで、この伽藍の正面の屋根に「不東」と書いてあります。
何気なく見て、向いている方角が確かに東ではなく、南やなあと思いながら中を巡っていました。
でも、その「不東」は、単に方角のことだと思っていたのですが、実は違ったのです。

平山画伯の壁画を見て出たところに「不東(ふとう)」の精神(こころ)について解説したものがありました。

そこに書かれていたのは、「玄奘三蔵は国禁を犯してまで真の仏法を求めてインドに旅立ちます。
道中、大切な水を失い、さすがの玄奘三蔵も、一旦は元に引き返そうとしますが、出発前に願を立てインドに着くまでは一歩も東に帰るまいと誓ったことを思い出します。
いかなる困難に直面しても、たじろぐことのない「不東」の決意、精神力が玄奘三蔵の生涯を支えた力だったのです。」

係の人が「「不撓不屈」の語源でもあるそうです。」と教えてくれました。

「不撓不屈(ふとうふくつ):強い意志をもって、どんな苦労や困難にもくじけないさま。
「撓」はたわむ意。転じて、屈すること。」

今の時代、信念を持って立ち向かわないといけない。
今まさに、相応しい言葉を伝えられ、教えてもらえた気持ちになりました。

気付かないところに、いろんな深い意味が込められている。
歴史的建造物には学ぶべきものがたくさんあると改めて教えられました。

そして、今回素晴らしい言葉を知ることができました。





※薬師寺の中に、そのような文字が、書かれているのですね。

深い意味を持つ〔不東〕を、心の片隅に携えていきたいと、思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。  


Posted by makishing at 07:19Comments(0)