2009年12月04日

相手を気分よくさせる〔その3〕



ある本からの抜粋です(一部削除)。



☆「別れぎわ」を大切にする人とは?



車であれ、電車であれ、船であっても、人を見送る時は、相手が見えなくなるまで、というのが原則である。中途半端なのが一番良くない。車が動き出した途端にきびすを返すのは、義理で仕方なく見送ったのだという印象を持たれても仕方がない。


機関車に引っ張られていた昔の列車の場合は、動き出してからスピードが出るまで時間がかかった。そこで、列車の動きに合わせてプラットフォームを歩き、最後には走りながら、さよならを言ったものだ。列車の窓やドアの開け閉めも自由にできたので、見送られる人のほうも身を乗り出したりして別れを惜しんだ。映画でも、そのような場面では別れる者同士の哀切な気持ちが伝わってくるものだ。


見送るという行為は、現象的には人が去っていくまで付き合う事であるが、感情的には別れたくないという気持ちの表現である。その感情をこめることなくして見送りの場に臨んだのでは、慇懃無礼にしかならない。恋人同士ほどではなくても、見送る以上は「もっと一緒にいたい」という気持ちが伝わらなくてはならない。


送られる側も同じ気持ちでなくては「片想い」に終わってしまう。それがちぐはぐであれば、周囲で見る第三者にとっては、とんだ茶番の一幕でしかない。すなわち、送られるほうも、見えなくなるまで何度も見送ってくれる人を振り返りながら遠ざかっていく感じがよい。


終わりよければすべてよしで、見送りの場面に「余情残心」が感じられれば、そのときの会合は大成功ということになる。最後まで見送ってもらえると、それが印象的な「残像」となって、次に再び会うときまでずっと残る。相手のことを「いとおしい」ないしは「かわいい」と思う気持ちが持続する。


たとえ街角の雑踏の中で別れるときでも、見送ろうとする風情のある人には、ちょっと心が引かれるところがある。そういう人に対しては、ひいきをするとまではいかないが、常に好意的に見ようとする結果になるのが人情だ。




※私は、これは実践しています。普通の感情として『もうちょっと一緒にいたい』と思う、そう思える御付き合いが多いのかも、しれませんね。“素晴らしい残像”を、残していこう!



Posted by makishing at 06:20│Comments(4)
この記事へのコメント
別れ際・・・本当に大切ですね

第一印象の良さがよく言われますが、分かれる時の残像は
イメージとして、ズーと入り込み長く記憶されるものだとも思います

旅館の女将の挨拶でも別れ際が7割らしく、
今日は良かった・来て良かった・また来よう・・と思うようになるのでしょう
Posted by 尾上 正 at 2009年12月04日 06:34
尾上正様

訪問、ありがとうございます。おはようございます。別れ際は、本当に大切なんですよね。

第一印象の良さをよくするのは、私からすれば必須、別れる時の残像は、その後の記憶に、しっかり残ります。

旅館の女将の挨拶は、別れ際が7割なんですね。知りませんでした。勉強になりました。

ありがとうございました。
Posted by 牧野眞一 at 2009年12月04日 06:56
お世話になります。

先ほどは、話の途中で電話をとめてしまい、申し訳ございませんでした。
今日の記事とは間逆の行動ですね・・・。

著書『筆談ホステス』が話題となっている斉藤里恵さんも、お客様をお見送りする際は、相手が見えなくなるまでお辞儀し続けるそうです。

当たり前だし、実践できてるように思っていますが・・・

果たしてどうかな?
自省します。

有難うございました。
Posted by 徳永 光之 at 2009年12月04日 10:59
徳永光之様

訪問、ありがとうございます。

徳永光之様は、実践できていますよ。

自省されると言う事は、形は出来ていても、心の中は、まだ伴っていないのでしょうか。

そんな事無いと思いますよ。

最後まで見送る事が出来る人は、普段の会話も、相手に対する配慮や思いやりが、にじみ出ています。

徳永様は、そのように、私には映っています。

ありがとうございました。
Posted by 牧野眞一 at 2009年12月04日 15:37
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