2019年12月21日

セオリーとは反対の発想で顧客満足度を上げたサービス 


今日は、いつも楽しく読ませて頂いているメルマガから【セオリーとは反対の発想で顧客満足度を上げたサービス】を紹介致します。





【セオリーとは反対の発想で顧客満足度を上げたサービス】


2019年も色々なヒット商品が出てきましたが、今日は、2019年上半期に注目されたサービスの1つを紹介したいと思います。

その商品とは、「ANAカウチシート」というサービスです。

日本からホノルルへの路線は、1954年から就航したJALが首位のシェアを誇っています。

ANAは、1998年に就航し、実に44年もの差がついています。

シェア率は、JALの32%と、ANAの16%とは16ポイントの差が存在します。

ANAは、その差を埋めるべく今年の5月に超大型機エアバスA380を成田からホノルル路線に就航させました。

従来機の2倍の520もの席数を埋めるのにANAは「ANAカウチシート」という新たなサービスを開始しました。

ANAカウチシートとは、エコノミークラスの3席又は4席すべてを自分たちの空間として独占して利用できます。

レッグレスト部分を座面まで上げることが可能で、横になることができるというシートです。

<ANAカウチシート>
https://www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/international/optional_svc/couchii/

レッグレストと座面が一つの面になり、ゆったりした領域が確保できるので、3名掛けでは親子が一緒になって横になることができます。

4名掛けでは、親子3名で使うときに両親が端に座り、真ん中に子供を寝かせるといった使い方が出来ます。

従来、リゾート路線はビジネスクラスをほかの路線より減らして、エコノミークラスを増席するというのがセオリーでした。

しかしながら、ANAは、通常のエコノミー料金に加えて、少しの追加料金を払うことで、家族で1グループのシートを独占することができます。

すなわち、出来る限りエコノミーの数を増やそうという従来とは逆の発想を取り入れました。

A380の520席という超大型飛行機だからこそ実現できたサービスではないかと思います。

ところが、実は、このカウチシートは、ニュージーランド航空が国際的な特許を取得しており、ANAにライセンス許諾をしています。

なぜニュージーランド航空がライバルであるANAに特許を使わせたのか?

ライセンス使用料を得る目的もあるのですが、利用客の多いANAで成功すれば、ニュージーランド航空にも注目が集まるからと考えたからです。

ニュージーランド航空からライセンス許諾を得て、ノウハウの提供などの協力を得たANAは今年の5月の就航前より大々的にPRしました。

日本からハワイに向かう往路は、夜間便も多く、ゆったりと寝ることが出来る点が評価されています。

特に、長時間の移動は子供にとって耐えられないことが多く、子供が熟睡してくれると親も安らげて満足度を高めることができる注目のサービスとなっています。

両社にとって特許権は、お互いのビジネスを発展させるためのツールとして活用されています。

特許は自社が独占するための権利という印象が強いのですが、このような使い方があるということも頭の片隅において頂ければと思います。





※このようなサービスを、ANAがしていたのは、私は知りませんでした。

「普通は、こうだろう」というセオリーを、逸脱する発想が、新たな顧客開拓を創ることに、つながるのですね。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。



Posted by makishing at 09:00│Comments(0)
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