2020年02月07日
セラミックメーカーだからこそ作れた商品
今日は、いつも楽しく読ませて頂いているメルマガから【セラミックメーカーだからこそ作れた商品】を紹介致します。
【セラミックメーカーだからこそ作れた商品】
京都には、優良な企業が数多くありますが、代表的な企業の1つとして、京セラ株式会社があります。
今では、電子機器、情報機器、通信機器、太陽電池などでも有名ですが、スタートはファインセラミックスのメーカーで、今でもセラミック関連事業は大きな柱の1つです。
京セラのセラミック関連商品で、キッチン用品も作っています。
その中でも有名なものとして、三徳包丁からペティナイフまで取りそろえた「セラミックナイフ」シリーズが、累計1000万本以上のヒット商品です。
今日は、このセラミックナイフではなく、取引先の販売店や卸売会社からの要望で作り上げたヒット商品を紹介したい、と思います。
その商品とは、2011年3月に発売された『セラブリッド フライパン』という商品です。
この商品が発売される前から、セラミックコーティングされたフライパンが海外製を中心に出回っていました。
ところが、従来品は、簡単に焦げついたり、コーティングが剥がれるといった風評がありました。
そんな中、同社は、取引先の小売店から「フライパンという未知の分野であっても、セラミックと名のつくものは、ぜひ京セラに手がけてもらいたい」という声を聞き、未経験のフライパンの開発をするきっかけになりました。
上記のように、ナイフなどセラミックを使ったキッチン商品は作っていましたが、他の金属とセラミックを組み合わせて作るフライパンとは勝手が違います。
しかし、従来の他社製品の影響で「セラミック=粗悪」というイメージが広がってはならないと考えたセラミックメーカーの使命感が開発へと繋がりました。
従来の他社製品は、フライパン本体のアルミ合金にセラミック塗膜を形成していましたが、使い方によっては簡単に剥げてしまうという課題がありました。
この課題は、
(1)セラミックそのものの質
(2)金属とセラミックとの密着度が足りない
ということに原因がありました。
(1)のセラミックの質を高めることは同社の技術で比較的簡単に実現できました。
しかし、(2)フライパン本体のアルミ合金とセラミックとの密着度を高めることは同社でも容易ではなく2年の歳月を費やしたそうです。
アルミ合金にセラミックの薄い膜を塗布するのではなく、セラミック塗膜部分も十分な厚みを持たせ、しっかりと密着させるような構成にしました。
塗布よりも、アルミ合金にセラミックを密着させたというイメージの方がしっくりくるため、アルミとセラミックを組み合わせたという意味を込めて、『セラブリッド』という造語を作りました。
2011年3月の発売後、品質の高さが次第に評価を受け、従来のセラミックフライパンの悪いイメージが完全に払拭されました。
小売店などの要望受け、この期待に応えて作り上げた商品であったことから、小売店などの流通側も積極的に販売に協力し、発売から3年で100万本以上売れる商品となりました。
セラミックに悪い印象を与えてはならない、という強い使命感があったからこそ、作りあげることが出来た商品ではないかと思います。
※社名にセラミックがある事の誇りと信念が、素晴らしい商品開発を産んでいるという、実話ですね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
Posted by makishing at 08:22│Comments(0)