2011年10月14日
漱石が顔の右側を見せなかった理由
今日は、日本経済新聞10月6日朝刊の広告(ファイザー)より《漱石さーん、どうして顔の右側を見せてくれないの?》を、紹介致します。
夏目漱石の肖像は、どれも顔の右側が見えないのは、なぜでしょう。
漱石は、3歳の時天然痘にかかったと言われています。天然痘は治療しても痘痕(あばた)が残り、その印象の強烈さから「見目(みめ)定め」とも呼ばれていた病気です。
そして漱石もやはり、顔にあばたが残ってしまいました。
教師時代に「夏目の鬼がわら」と、あばた顔を生徒たちに囃されたり、お見合い写真を修正するよう依頼したりと、そのあばたはかなり目立つものだったようで、漱石は後々まで、その跡を気にしています。
漱石の肖像がどれも顔の右側が見えない理由、それは天然痘による、あばたのせいだったのです。
天然痘は、1958年から世界保健機関(WHO)がワクチンによる根絶計画を推進。
1977年のソマリアの青年を最後に天然痘の報告はなく、WHOは1980年5月8日に根絶宣言を出しています。
ワクチン接種の徹底により、人類が地球上から撲滅した天然痘。
そのワクチンが広く普及していれば、文豪漱石の「右顔」が見られたかもしれません。
※「言われてみれば、そうだ」・・・この文章ではじめて気づいた私です。
アインシュタインが舌を出している写真も有名ですが、あの方も普段は笑わない顔だったそうです。
逆転の発想で考えるならば、あのスタイルの肖像だからこそ、私たちに‘文豪としての強烈なインパクト’を与えたのかも、しれません。
Posted by makishing at
05:41
│Comments(2)