2012年07月05日

典型的な間違い日本語【10】




今日は、『間違えると恥ずかしい日本語500』からです。






☆:×満十周年→○満十年、十周年

「満十周年」とよく使いがちだが、「満」は、年月がめぐって端数のない数になること。「周年」は、その数だけの年が経過したこと。ともに時間の経過を表しているから、使うのはどちらかひとつでいい。ちなみに平成元年4月1日が会社創立日なら、平成2年4月1日が「満1年」。記念行事を行う場合は、その前後に多少の幅を持たせて「1周年」とするのが通例。



☆:×圧倒的な敗北→○圧倒的な勝利

「圧倒的な勝利」とはいうが、「圧倒的な敗北」とはいわない。このように間違えるのは、「圧倒的」を「歴然とした差」という意味にとらえているからだろう。しかし「圧倒」は、はるかにすぐれた勢いで相手を押さえつけることを表し、力が上の場合に使うべき言葉である。



☆:×至上命題→○至上命令

マスコミなどでも使われ、間違いなさそうだが、じつは「至上命題」という四字熟語はない。似た言葉に「至上命令」があるため、混同しているのだろう。最重要課題のような意味合いで「至上命題」といいがちだが、そもそも「命題」は題目をつけることといった意味で、「課題」とイコールには使えず、「至上命題」では意味をなさなくなる。「至上命令」は、絶対に従わなければならない命令のこと。



☆:×恩を着せる→○恩に着せる

「恩を着せる」は「恩を売る」と混同しているのかもしれないが、「着せる」を使う場合は、「恩に着せる」とすべき。「恩に着せる」は、相手のためにしたようにことさらいうこと。「恩を売る」は、見返りを期待して人を助けることをいう。「罪を着せる」などの言い回しがあるのも混同の一因だろう。



☆:×会えない最期→○敢えない最期

「あえない最期を遂げる」と書くとき、「会えない最期」という字を当てる人がいる。臨終に立ち会えないという連想からこう書いてしまうのだろうが、正しくは「敢えない最期」だ。「敢えない」は「もろく、はかない、あっけない」という意味である。



☆:×乗るか反るか→○伸るか反るか

「伸るか反るか」は、成否は天にまかせ、思い切って行動に出る、イチかバチか賭けに出ることをいう。勝負に乗ると考えると、「乗る」を使いたくなるが、「伸る」が正解。矢作りの矢師が、曲がっていては使いものにならない竹を、まっすぐに伸びるか、反り返るかを気にしながら作業したことが語源といわれている。



☆:×消息を断つ→○消息を絶つ

正しくは、「絶縁」「絶交」などに使われる「絶」を用いる。「命を絶つ」「連絡を絶つ」「後を絶たない」のように、「絶つ」はつづいていたつながりを切るときに使い、永続的な意味合いを持つ。「断つ」のほうは、「交信を断つ」「退路を絶つ」「酒を断つ」のように、つづいていたものを途中で切る、一時的に止めるという意味合いで使う。






※このシリーズも、数えること10回目です。

さあ、今回は如何でしたか!?

私、間違って使っていたのが、ありました。

‘を’と‘に’の違いや‘絶つ’と‘断つ’、そして‘乗る’が‘伸る’だったのですね!

よーく意味を紐解くと、わかりますね。

次回も、お楽しみに!お誘い合わせの上、お越しくださいね。
  


Posted by makishing at 05:38Comments(0)