2013年08月18日
“江戸”に関する諺
今日は、『ことわざハンドブック』より、江戸に関する諺です。
【江戸中の白壁は皆旦那】
意味:『白壁』は裕福な商家。江戸中にはこうした商家が多いから、勤め先はいくらもあると言った、奉公人のふてくされ口を言う。〈此処ばかりに日は照らぬ〉も同じ。出典は『なんの世間中が白壁造りだ。三月が来りゃあおさらばよ』(浮世風呂)。
【江戸っ子往き大名還り乞食】
意味:江戸っ子の気質で、旅に出てから後先の考えなしに金を浪費して、結局帰りは乞食同然の姿でしおれて帰ることを言う。
【江戸っ子は五月の鯉の吹流し】
意味:鯉のぼりは中が空で風が吹き出しなことから、口は悪いが腹の中はさっぱりした、江戸っ子気質のたとえ。
【江戸っ子は宵越しの銭は使わぬ】
意味:これも江戸っ子の気質で、その日の稼ぎはその日の中に使ってしまうということ。いわゆる職人肌である。
【江戸の敵を長崎で討つ】
意味:思いがけぬ所で、または筋違いのことで前の仕返しをする。また関係のない事をやって気晴らしするとの意。
【江戸べら棒と京どすえ】
意味:気の荒い江戸と、みやびな気風の残る京都の方言を対比させたもの。『べらぼう』は馬鹿、おろか、『どすえ』はですよとの意。〈長崎ばってん江戸べらぼう〉〈大坂さかいに江戸べらぼう〉も似たことわざ。
※“江戸”という言葉は、これだけ沢山の表現があるのかと、感じます。
「裕福な商売人」「無計画で気が荒い」「口は悪いが悪気がない」「気っ風がよい」・・・そんなところでしょうか。
“東京”と名乗る前の、味の濃いイメージが、諺にも反映していますね。
Posted by makishing at
06:11
│Comments(2)