2021年12月27日

マクドナルドのポテトのM・Lサイズ販売休止に見る、超合理的思考


今日は、インターネットのダイヤモンドオンラインから【マクドナルドのポテトM・Lサイズ販売休止に見る、超合理的思考】の一部分を紹介致します。

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マクドナルドは12月24日から30日まで「マックフライポテト」のMサイズとLサイズの販売を休止すると発表しました。原因は世界的なサプライチェーンの混乱と関係しています。

日本マクドナルドはグローバルな調達先から最適なサプライチェーン構築を目指すと公言しています。今回のマックフライポテトの場合、多くは米国のアイダホ州などで生産された良質のジャガイモを収穫し、それを北米の工場で加工し、カナダのバンクーバーから日本へ輸送する物流網を築いていたようです。

そこにバンクーバーの水害が発生し、同時に世界的なコンテナ不足も起きているので輸入遅延が発生し、代替輸送のめども立たないという状況になったのでしょう。

みなさんもお気づきの通り、今、日本で不足しているのはポテトだけではありません。

この品不足、実は日本だけでなく世界的な現象です。こういった時に経営者はどうすべきなのか?それを考えるためにアメリカの事例を紹介しましょう。

消費大国のアメリカでは日本以上に小売店の品不足が深刻になっています。

今年のブラックフライデーのある動きが注目を集めました。アメリカでは感謝祭の翌日の金曜日をブラックフライデーと言って、一年で一番多く商品が売れる日だとされています。ブラックフライデーに向けて、激安商品を揃えて消費者を迎えるのが通例でした。

ところが、今年はブラックフライデーなのに激安品を用意しない小売店が目立ち、例年40~50%オフも多くのショップが10%オフしか用意をしない。楽しみが感じられないブラックフライデーの様子を嘆いたのです。

この現象と、今回日本マクドナルドが発表したポテトの販売休止のニュースの共通点、お気づきでしょうか?!

これは「たとえ一時的に顧客が不満足であっても、機会損失を避けるほうが品切れよりもずっといい」ということなのです。

アメリカではブラックフライデーの後、クリスマス商戦が続きます。世界的なサプライチェーンが混乱して、中国など海外で生産した商品の輸入が滞る中で、ブラックフライデーで仮に沢山の商品が売れたとしても、その後、クリスマス商戦の間中、ブランドショップの店頭で陳列棚がガラガラになってしまったら多大な機会損失が発生します。

ポテトも同じです。もちろんマクドナルドに来店してバーガー類だけを買って帰る顧客もいるわけですが、バリューセットがなければ他のお店を選ぶという顧客も少なからずいるはずです。ですから商品の販売量を一時的に絞ることで、サプライチェーンが滞っていてもセット商品の営業を続けられるようにしているわけです。

でも、ポテトSサイズを大量に買う顧客が出てきたら、どうするのでしょう?

今回マクドナルドはバリューセットのポテトがSサイズに変更になる分、価格を50円値引く対応をします。一見、これまでと同じルールに沿った対応に見えますが、ポテト好きの顧客は実は割高なポテトを買っていることになります。

実際にビッグマックセットは従来はポテトMサイズで690円、Lサイズで740円でした。今回のルールでポテトがSサイズでは物足りないという人が追加でもう一つSサイズのポテトを購入すると、サイズとしてはMとLの中間になりますが、支払い額は790円と、これまでのLサイズセットよりも高くなります。

実は、ここが一番重要な点だと思うのですが、日本人は品不足が起きると売り切れを受け入れるのが常識だと考えますが、アメリカ人のビジネス感覚では品不足が起きて機会損失が起きそうになったら、すぐに値上げをするものなのです。

値上げと言っても昨年、マスクが不足して500円で買えたマスクの価格が転売で5000円になったような値上げは感心できません。でもバーゲンを止めて10%オフで売ることや、大入りサイズを販売中止にして実質少しだけ割高になる状況は、合理的に人間の経済行動を変えることができます。

ポテトが好きな人は品薄状態でも追加でポテトを買うことはできます。しかしそのためにはこれまでよりも少しだけ高いお金を払うことになる。だから多くの顧客がポテトの購入量を減らしてくれることが期待できるというのが、マクドナルドが導入する仕組みなのです。

同様に、日本では自動車が品薄になると価格はそのままにして納期が遅れます。日本ではデフレが長く続いた結果、大手小売チェーンの価格支配力が高まったという側面が強いのでしょうが、なかなか値上げに踏み切らないという日本独自の経済状況が生まれています。

サプライチェーンの混乱は2022年も引き続き起きそうです。様々な分野で品物が無くなって、消費者が不満を抱える局面も起きるでしょう。その対策の一つとして「安くは売らない」「合理的な範囲内で値上げをして需要を抑える」という売り方があることを、ビジネスの選択肢の一つとして再認識しては、どうでしょうか。

マクドナルドのポテト販売休止のニュースは、本質を探っていくと、このような結構深い発見がある、というお話でした。





※如何でしたでしょうか!?

かなり深いビジネスの話です。

価値創造ビジネスとはいったい何なのか、しっかり考えていきたいと思います。

本日も、最後までお読みくださり、ありがとうございました。  


Posted by makishing at 10:04Comments(0)