2020年03月23日

自分の席を空席にしないことが、演じる人へのお返し


今日は、『会社で教えてくれない50のこと』(中谷彰宏氏著、ダイヤモンド社)より《自分の席を空席にしないことが、演じる人へのお返し》を紹介致します。





《自分の席を空席にしないことが、演じる人へのお返し》



劇場の空席には、ドラマがあります。

知り合いをお芝居にお誘いすると、たいていの人が「行きますよ。チケット買わせていただきます」と言ってくださいます。お芝居をやっている人間から言うと、チケットを買ってもらえると経済的には助かります。
でも、本当は来てもらうのが一番うれしいのです。

チケットを買うことで出演者を応援してくださる人たちは、往々にしてチケットは買ったものの劇場へは来ないことがよくあります。行けないかもしれないけれどもチケットだけは買わせてもらおうという、その人たちなりの愛情なのです。
チケットを買ってくれる人は知り合いですから、前のほうの席がとってあります。
その目立つ客席に、ポコポコ空席の穴があいてしまう。

相撲でもそうですが、後ろのほうの安い席から埋まっていきます。
お金がないけれどもそのことが好きで、その役者が好きで、その劇団が好きでという人が、安い席のチケットを買って、何度も観にきてくれます。
安い席の人ほど早くから詰めかけて、並んでそこへ入っていきます。

いい席になればなるほど空席が目立つようになります。
お付き合いでチケットだけ買う場合があるからです。
でも、お芝居で空席があるとテンションが下がります。
お芝居は、劇場と演者と観客と3者でつくられるものです。
観客もそのお芝居に参加しているのです。
そこで空席があると、劇場の緊張感が一気に崩れていきます。
来れないのだったら来れないで仕方がないのですが、空席をできるだけつくらないようにしなくてはいけない。

私がチケットをとってもらった時は、できるだけ誰か別の人も誘います。
自分だけが行くのではなくて、もう一人誰かを連れていく。
そうすると、呼んでくれた人に、そのことでお返しができます。
でも、もう一人連れていこうと思った人が行けなくなることがあります。自分自身も、急な仕事が入っていけなくなることがあります。その時も、そのチケットを絶対にムダにしないようにします。自分の席は、絶対空席にしないようにする。それが、お芝居をする人に対してのお返しなのです。
「チケット買ったんだから、空席でもいいや」と考えてはいけません。

一番友達を減らすやり方は、「行けたら行く」という姿勢です。
「チケットは買わせていただきます」と言う人は、「行けたら行きます」とは言わないけれども、心の中のどこかで、「行けたら行く。行けなかったら仕方がない。僕だって忙しいんだから」という言い訳を、心の中でしてしまっています。

小堺さんのミュージカル『おすましでSHOW』には、毎回必ず客席におりてきて、「あ、空席」と一言つぶやくギャグがあります。
どっと笑いが起こります。
これは毎年やっているギャグですが、小堺さんがそこで「あ、空席」と言うのは、空席にした人に文句を言っているのではないのです。空席を、演出として利用しているのです。そうすると、そこが空席である意味が生まれてきます。
古舘さんのお芝居でも、遅れてきた人がその空席に座ろうとすると、みんなが拍手をします。演じる側はその空席に対し、愛情を注ぐのです。遅れてくる人に対して愛情を注ぐ。この人は、ただ来なかったわけではない。「行けたら行く」といういいかげんな気持ちで来れなかったのではなくて、一生懸命来てくれているんだという、一段上の解釈をしていく。
これが劇場において、一つの空席が持っている意味なのです。

ただ席があいている、それだけのことではないのです。
劇場の一つ一つの席は、それだけ意味が重いのです。
お芝居に行く時には、絶対に空席をつくらないという気持ちで臨みましょう。



【明日のために】買ったチケットは、空席にしないようにしよう。





※如何でしたでしょうか!?

様々な集まりの集客をする事が多いので、『埋まるはずの席が空くショック』は、よく解ります。

昨今、コロナウィルス蔓延の関係で、無観客での開催が少なくないです。これの演者側のテンション維持も難しいです。

“チケットを買ったら行く”というのは、していきます。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。




Posted by makishing at 06:06│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。