2023年12月08日
細かくビッシリ書き込むときに最適なペン
今日は、いつも楽しく読ませて頂いているメルマガから【細かくビッシリ書き込むときに最適なペン】を紹介致します。
【細かくビッシリ書き込むときに最適なペン】
文字を細かくビッシリ書き込むときに便利なのが極細ボールペン。
極細ボールペンの中で、いま、ゼブラの『サラサナノ』が注目されています。
今日は、その『サラサナノ』について紹介します。
ゼブラの開発者たちは、細かい文字を書くときに必要な3つのことを考えました。
それは、ペン先が紙に食い込まないこと、インクが安定して出ること、そして色が豊富で選べることでした。
しかし、これらのことを実現するには、一般的なボールペンの構造では不十分でした。
そこで、彼らは、新しい機構やインクの調合を試みました。
まず、ペン先が紙に食い込まないことを実現するために、彼らは、シャープペンシルの技術を応用しました。
シャープペンシル『デルガード』は、芯が折れないという画期的な商品でした。
その秘密は、軸の中にスプリングが入っていて、芯を上に逃がすことで折れるのを防ぐという機構でした。
この機構をボールペンに応用すれば、ペン先が紙に食い込むのを防ぐことができるのではないかと考えたのです。
しかし、このアイデアを実現するには、簡単ではありませんでした。
ボールペンのペン先は、金属で固定されているのでスプリングを入れると重くなってしまいます。
重いペン先では、書き心地が悪くなります。
そこで、彼らは、ペン先の重さとスプリングの荷重のバランスを何度も調整しました。
細字ペンユーザーの協力も得て、最適なバランスを見つけました。
これにより、ペン先が紙に食い込まない「うるふわクッション」という新しい機構が完成しました。
次に、インクが安定して出ることを実現するために、彼らは、インクの粘度とボールの大きさを調整しました。
インクの粘度は、インクの流れやすさを表すもので、高すぎても低すぎてもインクが出にくくなります。
ボールの大きさは、インクの出方に影響します。
大きすぎると、インクが出すぎて垂れたりにじんだりします。小さすぎると、インクが出にくくなります。
そこで、彼らは、インクの粘度とボールの大きさを、細かい文字を書くときに適した値に設定しました。
インクの粘度は、ジェルインクと呼ばれるタイプのインクを使いました。
ジェルインクは、水性インクよりも粘度が高く、油性インクよりも粘度が低いという特徴があります。
この粘度を、ボール径0.3mmに合わせて最適化しました。
ボールの大きさは、0.3mmという極細なサイズにしました。
このサイズは、インクが適度に出るように設計されました。
また、ボールの素材も、インクとの相性を考慮して選びました。
ステンレス製のボールは、ジェルインクとの摩擦が適切で、サラサラとした書き心地を実現しました。
最後に、色が豊富で選べることを実現するために、彼らは、インクの調合に工夫しました。
インクの色は、色素や顔料と呼ばれる物質によって作られます。
色素や顔料は、光の反射や吸収によって色を見せます。
しかし、色を作るには、色素や顔料だけでは足りません。
インクの成分や濃度も、色の発色に影響します。
そこで、彼らは、色のバリエーションを増やすために、インクの調合に工夫しました。
インクの色は、全32色という豊富なカラー展開です。
この32色は、『サラサ』のブランドイメージとブランド戦略に基づいて選ばれました。
『サラサ』は、カラフルなイメージがあるので、『サラサナノ』でも多色展開することにしました。
また、『サラサ』であることをお客様にわかりやすく感じ取ってもらうために、発売と同時に全32色を発売することにしました。
2021年11月にジェルインクボールペン『サラサナノ』の発売が開始され、累計出荷本数はすでに100万本を超えていて、今後ますます売れていくヒット商品になるかと思います。
<サラサナノ ブランドサイト>
https://www.zebra.co.jp/pro/detail/sarasaclip/
※ヒット商品が出来る開発秘話は、血のにじむ努力が根底にあります。
今回も、とても勉強になりました。ありがとうございました。
Posted by makishing at 20:40│Comments(0)