2024年03月08日

持って歩けるホワイトボード 


今日は、いつも楽しく読ませて頂いているメルマガから【持って歩けるホワイトボード】を紹介致します。





【持って歩けるホワイトボード】


皆様は、「nu board(ヌーボード)」というノートをご存知でしょうか?

nu boardは、「紙に書いたことを消せる」という不思議なノートで、日本だけなくアメリカの文房具ファンから愛されている商品です。

このノートは、どうやってできたのでしょうか?

その裏には、印刷業界の危機に立ち向かった一社の挑戦と、一人の社員のひらめきがありました。

欧文印刷株式会社は、ニスを使った特許技術を持っていましたが、2000年代になりデジタル化の波に押されて売り上げが下がっていました。

そこで、自社の技術を活かして新しい商品を開発することにしました。

しかし、何を作ればいいのか、誰もわかりませんでした。

そんなとき、企画マーケティング室の汲田丈二さんが、あるアイディアを思いつきました。

「消せる紙を作ってみたらどうだろうか?紙にニスを塗れば、ホワイトボードのように書いて消せるはずだ。会議のときに壁に貼って使えば便利だろう。」

汲田さんは、このアイディアを上司に提案しました。

上司は、汲田さんのアイディアに興味を持ちましたが、まだ納得できませんでした。

単なる「持ち運べるホワイトボード」では、他の商品と差別化できないと思ったからです。

そこで、汲田さんは、もう一つのアイディアを加えました。

紙と紙の間に透明なシートを挟むことです。

このシートは、ホワイトボードの情報をそのままに、○印や文字を上書きできる便利な機能です。

この機能を追加することにより、上司も含めた周りのメンバーも納得し、製本会社に商品化の相談をしところ、製本会社からは、需要があるかどうかもわからないと協力が得られませんでした。

そこで、同社は、自分たちで製本作業をすることにしました。

しかし、透明シートを挟むのは手作業でしかできず、時間と労力がかかりましたが、多くの苦労を乗り越えて、「nu board」を完成させました。

そして、2008年にインターネットで販売を始めると、予想以上の反響がありました。

多くの人々が、「nu board」の面白さと便利さに魅了されました。

「nu board」は、発売後10年以上経過していますが、今の文房具ファンをはじめとする人気の商品です。

デジタル化の波に押されて危機を迎えている業界はあると思いますが、「nu board」は、印刷業界の危機をチャンスに変えた商品の1つではないでしょうか。


<nu board 商品サイト>
https://cansay.obun.jp/nu-board/





※印刷業界の危機を救った一手です。

時代の移り変わりやニーズに対して、対応していける、非常に参考になる実話です。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。  


Posted by makishing at 08:39Comments(0)