2013年12月24日
中国TVマンが語る真実
今日は、12月17日読売新聞から『解 中国TVマンが語る真実』を紹介致します。
中国のインターネット上で最近、大きな反響を呼び、相次いで転載されている文章がある。「中央テレビとの決別ーーーこの時代に残すわずかばかりの『真実』」。10年間勤めた国営中央テレビを11月27日に退職した報道番組プロデューサー・王青雷氏(36)が、中国版ツイッター「微博」で発表したものだ。
「我々は徐々に社会的信用と影響力を失った。国家と国民に真実の声を伝えず、人びとの尊敬と信頼を得られなかったからだ」
「報道について受けた年間1000件以上の指示のうち、真に国益に資するものがどれほどあるのか自問した」
厳しい言論統制下で、報道に携わる者としての良心を体制の宣伝のためにねじ曲げざるを得ない苦しみがつづられている。体制内エリートでもある国営メディアの中核にいた人物が、報道のあり方をここまで赤裸々に批判するのは異例だ。
中国当局は決別文の削除を続けている。だが、既存メディアへの拭いがたい不信感もあるのだろう、ユーザーはそれを上回る速さで転載し、王氏の文章は拡散する一方だ。
王氏は、2011年7月に浙江省温州で起きた高速鉄道事故の際、担当する番組で鉄道省(当時)を批判して停職になったこともある気骨の人である。
「中国には真実が必要だ。それは人びとの希望であり、権利でもある」
悔しさと自責の念を胸に国営メディアのくびきから解き放たれた王氏。インターネットなどを舞台に今後どのような「真実」を語ってゆくのか、目が離せない。
※言論の自由や表現の自由について、考えさせられた記事でした。
真実を語り、真実を知ることが出来る世の中が、いつまでも続くことを祈念します。
Posted by makishing at 06:08│Comments(0)