2023年05月11日
典型的な日本語【18】
今日は、『間違えると恥ずかしい日本語500』からです。
☆:×財産を増やす→○財産を殖やす
正しくは「財産を殖やす」。現代では、どんな場合も「増やす」を使っている場合が多いが「殖やす」は本来、それ自身の力によって多くすることをいい「養殖」「殖財」などにみられるように、おもに動植物や財産をふやす場合に使われる。「増やす」は「風呂の水を増やす」「ゴミを増やす」のように、ほかから加えて多くする場合に使う。
☆:×もぬけの空→○もぬけの殻
「もぬけの殻」とは、セミやヘビの抜け殻のことで、転じて、人の抜け出たあとの寝床や住居のことをいう。ポイントは、今までいた気配が感じられるという点。単に留守という意味ではないから要注意だ。
☆:×予想以下の不振→○予想外の不振
その不振ぶりが予想していたよりも悪かったということをいうなら「予想外の不振」としたほうがいい。好調だった場合には「予想以上の好調ぶり」とはいうが「予想以下の不振」とは言わない。
☆:×悪どい→○あくどい
「あくどい」は、普通よりけばけばしくて嫌な感じという意味で「あくどい色」、たちが悪い、やり方が汚いという意味で「あくどい手口」「あくどい商売」といった具合に使われる。いかにも悪いというイメージなので「悪どい」と書き間違えやすいが、この「あく」は、「あくの強い人」の「あく」と同じで「灰汁」の意味。「くどい」の頭に「あ」がついたものという説もある。ただし、今では「悪どい」という表記を認めている辞書もある。
☆:×写真を修正→○写真を修整
「修正」は「直して正す」。「修整」は「直して整える」。写真は、ありのままを写し出したもの。直して正すことはできないので、陰影や色などに手を加えて整える「修整」。「修正」は、文章などの不十分な点を正すこと。「予算の修正」のように、変更する場合にも用いる。
※このシリーズ、1年2ヶ月ぶりです。
いつも、日本語の難しさを痛感するこの本です。
ただ、久しぶりですが、今回に関しては少し考えたり注意したら解るかもしれませんね。
Posted by makishing at 07:57│Comments(0)