2010年04月16日

‘カンブリア宮殿’の村上龍氏より



ある日、たまたま立ち寄った本屋さんで出逢った、カンブリア宮殿(テレビ番組)が本になった書籍『挑戦だけがチャンスをつくる』の、前書きが面白かったので、紹介致します(要約)。





カンブリア宮殿と言う番組を通じて、多くの優れた経営者たちと知り合う事が出来た。良い経営者にはいくつかの共通した資質があるが、もっとも基本的なものは「明るい」と言う事ではないだろうか。性格は暗いけど、素晴らしい経営者と言うのは、封建時代ならともかく、少なくとも現在の日本社会にはないような気がする。だが、よく使われる割には明るいと言う言葉の定義は簡単ではない。明るい人、と言うのは正確には、どんな人の事なのだろうか。


あいつは明るい、と人を評するとき、私達は色々な事を基準にしているが、要は「一緒にいてイヤじゃない」に尽きるのではないか。明るい人には色々な特徴があるが、共通しているのは「これといった用事がなくても是非また会いたい」「機会があればまた会ってみたい」と思わせる何か、つまり人間的魅力を持っているということだろう。


明るい人は、希望を失っていない人だ。また、希望を他人に示す事が出来る。だが、近代化の達成によって、みんな一緒に豊かになるという国家的・集団的・大前提的な希望が消失した現在、その事は決して簡単ではない。多くの経営者は、根拠などなくてもいいから、とにかく明るくふるまう必要が必ずあるのだと言った。きっと、そういう人にしか、運命の女神は微笑まないかもしれない。






※この文章に、人付き合いの原点が、凝縮されているような、気がしています。番組の中で、様々な性格の凄腕経営者と会話を交わして来られた村上龍さんだからこそ、わかる事だったかもしれないですね。「これといった用事がなくても是非また会いたい人」・・・私が目指す理想的人物の、一つのパターンです。
  


Posted by makishing at 03:01Comments(6)