2017年12月07日

仕事における良心


今日は、いつも楽しく読ませて頂いているメルマガから【仕事における良心】を紹介致します。





【仕事における良心】



渡部昇一さんの「人生を創る言葉」(致知出版)から。

ひとりの大工のお話です。


ある裁判官が自分の家の板塀をつくろうとして「材料はこちら持ち、1ドル半の手間賃で、こしらえてもらいたいと」広告を出した。
なかなかこの条件で引き受ける人はいなかったが、ようやく一人やりましょうと手を挙げた。
この裁判官が「荒削りでいいよ。1ドル半しか出さないのだから」というと「よろしゅうございます」と承知して仕事に取り掛かった。
仕事の様子を見ると実に丁寧に念には念を入れてきれいに削っている。
裁判官が役所に行って帰ってくると板塀がちゃんと出来上がっていた。
しかも立派なものだった。これならもう半ドル増しにしてくれと言うに違いないと思ったので、裁判官は先手を打ってこう話しかけた。
「どうも念の入れ過ぎだなあ。こんなに丁寧にしてくれと頼まなかったはずだが」
「丁寧にしては悪かったですか」
「別に悪い訳じゃないが、いくら念を入れてしてくれても約束通りにしか払わないよ」
「はい、結構です」
「こんなに手間をかけて損ではないか」
「損は損かもしれませんが、安いからといって仕事を粗末にすると、賃金を損した上に、自分の良心を損しなければなりません。大工として仕事をする以上、仕事に精魂打ち込んで自分でよくできたと満足しないと私の気が済みません。賃金が安いからといって、いい加減な仕事をすると賃金を損した上に、私の性根まで損しますので」

これを聞いた裁判官はいい心掛けの大工だと、その後裁判所を建てるときに、最も信用ある大工として、この者を推薦したという。


渡部さんも同じような経験があるということでエピソードを紹介しています。


近所の人が家を建てた時にある工務店に頼んだところ、ちゃんとした立派な家ができた。
その代金を精算する時にこの工務店は「この額で請け負いましたが、余りましたので」と何十万円も返してきたといって驚いたというお話です。
それでその家の人が気に入って渡部さんの家を建て替える時に「あの工務店はいいですよ」と推薦されたという。

日本には「損して得とれ」という言葉があるが、先に損しても、それが巡りめぐって大きな得を連れてくるというのは現実にあるようだ。
ただ、最初から"得"を期待していてはダメで、この大工のように「手を抜くと自分の気持ちが悪い」と言って一生懸命に働く心掛けが大切。

そういう姿勢を見ている人がいて、密かに評価してくれている。
それが何かの機会に得となって戻ってくるかもしれない。


以上が渡部さんの本からの抜粋です。

誰かに評価されたいとかほめられたいとか、他人の目ばかり気にしていてはダメですね。
自分が今置かれたところで、精一杯の役割を果たしているか。
そう自問して、大丈夫、一生懸命やっていると自答できる。

評価されるからやる、されないならやらない、では自身の成長にも繋がらないような気がします。

私も自分が生かされていることを自覚し、自分ができることを精一杯取り組んでいきたいと思います。





※頂いたお仕事を精一杯やる事こそが、ベストだと考えます。

仕事に優劣をつけず、一つずつ丁寧にさせて頂きたいと、思います。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
  


Posted by makishing at 07:56Comments(0)