2018年08月17日

皮革の種類:原料皮による分類


今日は、カタログ『ひょうご皮革物語』(兵庫県、兵皮連)より【皮革の種類:原料皮による分類】を紹介致します。





《牛革》
あらゆる皮革の中で、もっとも用途の多いのは牛革です。わが国でも、牛革による皮革製品が各種にわたりつくられています。原皮には、産地・性別・年齢によって品質にかなりの差があり、次のように分けられます。


〓カーフ
生後約6ヶ月以内のもので牛皮中のトップクラスです。小判薄手で、キメのこまかいのが特長です。

〓キップ
生後半年以後から1年余りまでのもので、カーフより厚手になり、強さも増します。

〓カウ
生後2年以上のメスの成牛の皮。ステア、ブルほどの厚みはありません。

〓ステア
生後3〜6ヶ月以内に去勢したオスで、生後2年以上を経たものの皮。厚みが比較的平均しています。

〓ブル
生後3年以上のオスの成牛の皮。厚手になり、繊維組織のあらさが目だちます。

〓地生(ヂナマ)
国内産の牛は、生皮のままで取引されたところから、地生と呼ばれます。一頭分の大きさは北米産とほぼ同じですが、海外のものよりも、ぎん面に傷がなく、きれいです。




《山羊革》
衣服、手袋などに用いられます。特に子山羊の革はキッドと呼ばれ高級靴、高級婦人手袋に多く用いられます。




《羊革》
薄く、やわらかで、主に衣類、手袋に用いられるほか、書籍の装丁にも使用されます。なかでもインド産羊皮は、その革の優秀性が世界的に認められています。




《カンガルー》
カーフより上等、しかも丈夫でしなやかです。のびて変形しないため、高級な靴、スパイクシューズに使用されます。




《ピッグスキン豚革》
牛皮についで利用範囲が広く、カバン、袋物、ベルトをはじめ、靴の甲裏革や敷革に用いられます。外国では珍重され、最近では多量に輸出されています。




《馬革》
馬革の尻の部分は組織が緻密で光沢の美しい革ができるので、特にコードバンと称して珍重され、靴、ベルト、時計バンドなどに使用されます。その他の部位は靴の裏革などが主な用途です。




《鹿革》
鹿の皮を動植物油でなめした皮は、やわらかくしなやかでセーム皮と称しています。戦時中は航空機用ガソリンこし、ガラスふき、高級手袋、帽子、衣服などが主な用途です。




《オールトリッチ》
駝鳥の皮。羽根を抜いたあとが丸く突起し、皮の表面におもしろい模様があるため、珍重されます。数が少なく、高級な袋物、ベルト、靴、草履に使われます。




《爬虫類》
ワニ、トカゲ、ヘビの3種が主なもの。いずれも革の模様が珍重されます。高級袋物、ベルト、時計バンド、靴、草履がその用途です。





※皮革製品は、私たちの生活にも馴染みがあり、何かから出来たいくつかは、所有していると思います。

にも関わらず、全く知らない知識が、ここにありました。皆様は、如何でしたでしょうか?!

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
  


Posted by makishing at 08:07Comments(2)