2012年11月04日
紙の基礎知識
今日は以前に、朝の勉強会に参加した時に、講師をして頂いた、紙の卸・加工会社社長から勉強させて頂いた内容です(一部削除)。
▼紙の生産量・使用量
1位.アメリカ
2位.中国
3位.日本
4位.ドイツ
(2007年調査)
▼国民1人あたりの紙使用量
1位.ルクセンブルク(504kg)
2位.ベルギー
3位.フィンランド
5位.アメリカ
7位.ドイツ
9位.日本(246kg)
(2007年調査)
▼様々な紙
トイレットペーパー・・・クッキングペーパーもそうですが、吸水します。
ディゾルボペーパー・・・水溶性があります。
合成紙・・・水に強いです。(選挙用紙やスコアカード)
ファイバー・・・かばんや家具等成形できます。
衣服・・・靴下になります
▼紙の原料
木と水を使用します。あわせて、紙は基本使い捨ての用途が多いので、どうしても環境によくないイメージがつきまといます。
□木材
木材を製紙に使用できる状態に加工したものをパルプと言います。基本、建材の端材を使用し、大手の製紙会社は、積極的に植林もしています。欧米の大手製紙会社は、自社内でも植林をしています。
□水
紙の良し悪しは水で決まると言っても過言ではなく、機械式の製紙が始まる前の手すきの産地は、必ず水量の豊富できれいな水の河川沿いにあります。製紙会社が水をとりすぎて水不足になったという話も、聞いたことがありません。
▼非木材紙
バガス、ケナフ、麻、竹、リンターなどの非木材植物繊維を使用した紙で、これらの原料は成長が早いことから、二酸化炭素の吸水に優れていると言われ、森林保護の観点から、利用が促進されています。
中国の製紙会社で、注目している会社があります。四川省の山奥にある会社で、竹100%の紙を作っています。
竹類は成長力が強く、ピークの時は1日で1メートル以上成長する。地下茎が地面を広く覆うことから、がけ崩れには強いが、逆に強風、地滑り、病気などには弱く、放置された竹林で地滑りの発生が多いという研究もあります。
また、放置竹林によって山地が覆われ、元々植生していた広葉樹や針葉樹の光合成が妨げられ、結果として森林の減少を招くという問題も起こっており、各地で対策が講じられています。
▼最後に
我々人間は、人間である限り、1日たりとも紙に触れずには生活できません。ただ、文明の進歩と人口減少で、国内での紙の使用量は著しく減少していきますが、世界規模でみれば、まだまだこれからです。
だからこそ、天然の原料を使用した紙は、環境破壊とは無縁で、それどころか自然環境に配慮した、人類の英知の賜物だということを、きっちりと伝えていくことが、紙を生業とする者としての使命だと思っています。
※紙に関する様々なことを学びました。
紙の‘1人あたりの使用量’で、ルクセンブルクが多いのが、意外でした。
知っているつもりの、紙に関する物事を、正しく知ることができました。
製造に原価が高くついてしまう再生紙に関して、業界として難しい位置付けを、感じました。
Posted by makishing at
06:44
│Comments(0)