2009年09月10日

“秋”に関する諺



今日は、『ことわざハンドブック』からです。



【秋風が吹く】

意味:冷ややかな秋風をもじって、親しさが薄れてゆくさまを言う。とくに男女間の仲が冷淡になる時使われる。『秋』はすなわち『飽き』ると言うわけ。〈秋風が立つ〉でもある。



【秋の雨が降れば猫の顔が三尺になる】

意味:秋雨は南からの低気圧で暖かくなるので、寒がりの猫が顔を長くするほど喜ぶこと。



【秋の扇】

意味:中国前漢時代の故事、成帝の愛を失った班女が、わが身を秋の扇のはかなさに例えた、と言う話から出た言葉。扇は夏の暑い時は重宝されるが、秋風が立つと不用になって見捨てられる事から、役に立たなくなったもの、愛を失った女性の形容詞として使われる例え。〈班女が扇〉とも言う。



【秋の日は釣瓶(つるべ)落とし】

意味:秋の日暮れの早い事を、井戸に落とす釣瓶に例えたもの。〈秋の日は鉈落とし〉でもある。



【秋茄子は嫁に食わすな】

意味:秋茄子はとくに味が良い。だから姑根性で嫁には食べさせたくない。しかし、秋茄子は、身体が冷えるから、嫁には良くない、と言う善意にも通じる。他に、秋茄子は灰汁(あく)が多く子宮を荒らすから嫁に食べさせるな、の説もある。毛吹草の『秋茄子嫁に食わすな』から出た言葉。これに対して〈秋かます嫁に食わすな〉〈秋鯖は嫁に食わすな〉〈夏だこ嫁に食わすな〉の類語があり、〈秋なすびは嫁に食わせて〉〈鱈の頭は嫁に食わせろ〉と言った反語もある。





※“秋”に関する諺です。季節が暑い時期から寒い時期に変化するさまを、寂しいとか残念とか良くない比喩に使われている事が多い事に気づきますね。
  


Posted by makishing at 06:22Comments(4)